目次

  • OpenHRPSDK をインストールする

  • OpenHRP3 および GrxUI の動作をお試しいただくことが可能なバイナリを Windows Installer で提供いたします。

インストール前確認

Name Serverが正常起動しなくなる恐れがありますので、コンピュータ名を半角8文字以内に設定してください。 詳細についてはこちらをご覧ください。


コンパイル環境の準備

まず、以下の手順で OpenHRPのコンパイル/実行に必要なソフトウェア をインストールしていきます。

64bitのOSでは、32bit用のソフトウェアも動作しますが、32bit用か64bit用かのどちらかのOpenHRPを選択し、実行に必要なソフトウェアで、32bit用と64bi用を混在させないで下さい。
なお、Express版は、デフォルトでは64bitバイナリのビルドができませんのでご注意ください。

いずれのソフトウェアも、バージョン等が合うものをすでにインストールされている場合は、それをお使いいただければ結構です。
それぞれのインストール先も、お好みに合わせて変えてもかまいません。
ただし、インストール先がインストーラのデフォルトでない場合には、 下記で説明する「CMakeの実行」で インストール先に合わせて設定しなければならないことにご注意ください。

Visual C++ コンパイラのインストール

Windows 用の C++ コンパイラは Visual C++ 2010, Visual C++ 2008 に対応しています。

マイクロソフトより無償配布されている Express Edition も使用可能です。 Express Edition をご使用の場合、下記のリンクからダウンロードしてインストーラの案内に従って インストールしてください。インストーラの設定項目は特に変更しなくてもOKです。

Visual Studio 2008 Standard Editionの場合にはC++とC#の両方をインストールしてください。

JDK のインストール

http://java.sun.com/のJava SE のダウンロードページより、 JDKのWindows用をダウンロードしてください。
32bit用のOpenHRPには、64bitOSでも32bit版をインストールして下さい。 JDKのバージョンは今のところ JDK7 系列で動作を確認しています。

ダウンロードしたファイルを実行すると、JDKのインストーラが起動しますので、 インストーラの案内に従ってインストールしてください。 インストーラの設定項目は特に変更しなくてもOKです。


環境構築インストーラによる依存ソフトウェアの導入

依存ソフトウェアをまとめてダウンロード・インストールする環境構築インストーラを配布しております。新規にシステムへ導入される場合、当サイトの 「関連ソフトウェアのダウンロード」にて;

  • Windows VS2010 64bit用 環境構築インストーラ: Package-1.2.2_VC10_x64.zip
  • Windows VS2010 32bit用 環境構築インストーラ: Package-1.2.2_VC10.zip
  • Windows VS2008用 環境構築インストーラ: Package-1.2.2_vc9.zip
  • をダウンロードしてご利用ください。
    ただし動作には、Windows Installer 3.1以降、.NET Framework 3.5 以降が必須です。

    • Windows Installer 3.1はWindowsの更新を行えば自動的に導入されますが、解説とマニュアルによる インストールはこのページ を参照してください。
    • .NET Framework 3.5はVC++の更新を行えば自動的に導入されますが、解説とマニュアルによるインストール はこのページ を参照してください。

個別にインストールする場合は、OpenHRPのコンパイル/実行に必要なソフトウェアを参考にして、以前のように各個インストールしてください。


Package-1.2.2_***.zipをダウンロードして解凍するとPackageディレクトリが展開されます。
Packageディレクトリ内の install.cmd、

.¥Package¥Install.cmd

を実行すれば依存ソフトウェアをダウンロードしてインストールします。
ただし、OSがVista,7の場合、図1のように管理者権限で実行してください。


図1:管理者権限実行


途中図2のPyYAMLのインストーラーがGUIとして起動します。 特に設定項目を変更する必要はないのでデフォルトのまま"次へ"のボタンや"完了"ボタンを押下してください。


図2:PyYAMLインストーラ


インストールが正常に終了すると、


図3:正常終了

のように表示して終了します。
インストールが正常に終了したらPackageディレクトリを削除しても構いません。

以上の作業でインストールされる依存ソフトウェアは以下の通りです。

  • OpenRTM-aist Ver.1.1.0
  • python Ver.2.6.6
  • python-2.7.3.amd64 (64bitのみ)
  • PyYAML Ver.3.10
  • Jython Ver.2.2.1
  • Eigen Ver.3.0.2
  • CLAPACK Ver.3.1.1
  • Boost Ver.1.44.0
  • Collada Ver.2.3.1


CMakeのインストール

cmake からWindwos用の2.8系の最新版を選びダウンロードし、インストールします。

OpenHRP3パッケージの展開

当サイトの「OpenHRP3 本体のダウンロード」 で承諾ボタンを押下していただいて、OpenHRP3のソースアーカイブをダウンロードし適当なディレクトリ に解凍してください。

注意:
OpenHRP ホームディレクトリーのパスにユニコード文字(マルチバイト文字)などが含まれていると実行中 に不具合が発生しますので、展開先のパス名にはユニコード文字(マルチバイト文字)、カンマが含まないような 展開先を選択してください。(特に「デスクトップ」などのところにおくとパスにユニコード文字が含まれて しまいますのでご注意ください。)


コンパイル

CMakeの実行

スタートメニューから [すべてのプログラム]-> [CMake 2.x] -> [CMake (cmake-gui)] を選択して CMake を起動します。


図4:CMake起動

図4のような画面が表示されますので、"where is the source code:"と"where to build the binaries:"の両方にOpenHRP3の展開先のディレクトリを指定して、"Configure"ボタンをクリックします。


図5:変換プロジェクトの指定

すると、図5のような変換するプロジェクトの種類を尋ねるダイアログが表示されます。"Specify the generator for this project"の部分で"Visual Studio 10 Win64"または"Visual Studio 10"または"Visual Studio 9 2008"を選択し、下のラジオボタンは変更せずに"Use default native compiler"を選択した状態のままで"Finish"ボタンをクリックしてください。
ダイアログが閉じるとプロジェクトの構成を始めます。構成が終了しますと図6のように各変数名とその値の一覧が赤いバッググラウンドで表示されます。変数を確認して必要があれば変数を変更してください。


図6:設定変数の確認変更

このとき"CMAKE_INSTALL_PREFIX"を変更することでOpenHRP3のインストール先を変更することが出来ます。
※ JDK1.7.0_21以降を使用されている方は、インストール先をスペースを含まないディレクトリに変更して下さい。
※ OpenRTMが複数インストールされている場合、どのOpenRTMに依存するかは検索順で決まるため、明示的にOPENRTM_DIRを指定する必要があります。


変数を確認して問題がなければ、もう一度"Configure"ボタンをクリックしてください。
エラーがなければ各変数のバックグラウンドが白色になり"Generate"ボタンが活性化されますので、活性化された"Generate"ボタンをクリックしてください。プロジェクトファイル(OpenHRP.sln)がお使いの環境に合わせて生成されます。


Visual C++ によるコンパイル

ソリューションファイルのオープン

OpenHRPを展開したディレクトリに移動して、 OpenHRP.slnを開きます(図7)。


図7:起動先

ビルドの実行

プロパティを正しく設定できたら、以下のようにしてビルド(コンパイル)できます。


図8:ビルド

  1. ソリューションエクスプローラを選択します。
  2. Releaseを選択します。
  3. ビルドメニューからソリューションのビルドを選択します。
  4. ビルドが開始され結果が表示されます。

最後に、
========== ビルド: 41 正常終了、0 失敗、0 更新不要、1 スキップ ==========

などと表示されます。失敗が0ならば成功です。
バージョンによってはこの正常終了数、スキップ数が異なることがありますが、失敗が0である点が重要です。
正常にコンパイルできなかった場合、環境構築が 正しくできているかを確認してください。
その際、Visual C++ の「エラー一覧」ウィンドウを表示させて、 具体的なエラー内容をチェックするとよいでしょう。
(「エラー一覧」ウィンドウは、メニューの「表示」-「その他のウィンドウ」-「エラー一覧」を クリックすることで、通常Visual C++ウィンドウの下部に「出力」などと並んで表示されます。)

次に、INSTALLプロジェクトを実行してCMAKE_INSTALL_PREFIXでセットしたディレクトリに実行に必要なファイルをコピーします。


図9:INSTALLプロジェクト実行

図9のようにINSTALLプロジェクトのポップアップメニューから実行します。 ポップアップメニュの起動は以下の手順となります。

  1. ソリューションエクスプローラを選択します。
  2. INSTALLプロジェクトを選択します。
  3. マウス右クリックしてポップアップメニュー表示します。

注意:
Vista,7環境の場合は、UAC(User Account Control)により C:\Program FIles 内の書き込みが制限されるため、 INSTALLプロジェクトを実行しても「エラー終了」となることがあります。そのとき下記のいずれかの方法で 対処し、INSTALLプロジェクトをリビルドしてください。

Eclipse および GrxUI on Eclipseプラグインのインストール

Eclipseのインストール

GrxUIはEclipseのプラグインです。現在のバージョンはEclipse3.4に対応しています。
Eclipseの実行とコンパイルに必須のプラグインをあらかじめ導入した全部入りパッケージを用意しています。
本サイトの「ダウンロード」ページからEclipse 全部入りパッケージを ダウンロードして、解凍してください。

注意:
Vistaの環境で展開する場合、システムデフォルトの展開機能を使うと「ソースパスが長すぎます」というメッセージが表示されます。
専用の展開ソフトを用いて展開する方をお勧めします。

GrxUI on Eclipseプラグインのインストール

GrxUI on Eclipseプラグインのインストールは、コンパイル済みのGrxUIプラグインをインストールする方法とEclipseでソースからコンパイルしてインストールする方法がございます。

コンパイル済みのGrxUIプラグインのインストール

コンパイル済みのjarファイルをEclipseにインストールする方法です。
OpenHRPの解凍先から、GrxUIonEclipse-project-0.9.8\plugins\Eclipse3.4_RTM1.1_WINDOWSに移動します。
com.generalrobotix.ui.grxui_0.9.8.jarを、インストールしたEclipseのpluginsディレクトリにコピーしてください。

これでインストールは完了です。GrxUIの起動・初期設定に進み、GrxUIの起動してください。



ソースからGrxUIプラグインを作成してインストール

Eclipse の起動

GrxUIの起動・初期設定に従って、Eclipseを起動してください。

Eclipse の設定

ワークスペースのエンコーディング設定を行います。
メニューの"ウィンドウ"→"設定"をクリックして出てくる設定ダイアログ内の"一般"→"ワークスペース"を選択し、"テキスト・ファイル・エンコード"という枠から"その他"をクリックします。
すると手前のメニューが有効になりますので、そこから"UTF-8"を選択します。
"適用"ボタンで設定を保存し、"OK"を押しウィンドウを閉じます。

GrxUIプラグインのインポート・コンパイル・エクスポート・インストール

インポート

メニューから"ウインドウ"→"パースペクティブを開く"→"その他"を選択します。
"プラグイン開発"を選択し、"OK"ボタンで閉じます。
右上に示すパースペクティブは"Java"から"プラグイン開発"へと変更したことが確認できます。

メニューから"ファイル"→"インポート"を選択してダイアログを開き、"一般"の"既存プロジェクトをワークスペースへ"を選択し、"次へ"ボタンを押します。
"ルートディレクトリーの選択"の"参照"ボタンを押し、OpenHRP3ディレクトリ中の"GrxUIonEclipse-project-0.9.8"を選択します。
"プロジェクト"の一覧で"com.generalrobotix.ui.grxui"がチェックされた状態になったことを確認し"終了"ボタンを押します。

コンパイル

このあとプロジェクトは自動的にビルドされます。ステータスバーの右下にインジケータが表示され、ビルドが終了すると、表示が消えます。
この時、コンパイルエラーが発生する場合、Java 準拠レベルの問題の可能性がございますのでこちらを参照してください。

エクスポート

メニューから"ファイル"→"エクスポート"を選択してダイアログを開き、"プラグイン開発"の"デプロイ可能なプラグインおよびフラグメント"を選択し、"次へ"ボタンを押します。
"使用可能なプラグインおよびフラグメント"の中から"com.generalrobotix.ui.grxui(0.9.8)"にチェックをいれ、次に"宛先"タブを選択し、適当なディレクトリを設定して"終了"ボタンを押します。
これで指定したディレクトリにpluginsディレクトリが作成され、その中にcom.generalrobotix.ui.grxui_0.9.8.jarが作成されます。これがGrxUIのプラグインとなります。

インストール

Eclipseを一旦終了し、出来上がったGrxUIのプラグインをEclipseのpluginsディレクトリにコピーします。

これでインストールは完了です。GrxUIの起動・初期設定に進み、GrxUIの起動してください。



備考

OpenHRP3.1.0β2からの移行

OpenHRP3.1.0β2からbin/dosディレクトリの使用を廃止しましたので、 以前のバージョンから更新されたユーザはCMAKE_INSTALL_PREFIXで 設定したディレクトリ下のbin/dosが削除可能です。
デフォルトの場合、C:/Program Files/OpenHRP/bin/dosとなります。

Java 準拠レベル

Javaのコンパイルエラーが発生する場合、Java 準拠レベルがあっていない可能性がございます。
eclipseを起動し、メニューから"ウインドウ"→"設定"を選択します。
"Java"→"コンパイラー"を選択し、"コンパイラー準拠レベル"を"1.6"以上に設定し、"適用"ボタンを押して設定を保存します。
ここで再度フルビルドするかと質問されますので、「はい」と答えてください。

SSE拡張命令

CMake時にデフォルトでSSE拡張命令を有効にするコンパイルオプションを追加しております。
このコンパイルオプションを無効にしたい場合には、CMake時に表示を Advanced View にして OPTIMIZE_SSE2_ENABLE のチェックを外してください。